店長のドイツ体験記
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本題の前に、なぜヴァルトはドイツブロートを作るのかをお話します。

「我々の自国で採れる日本の国産小麦で、おいしいブロートを作りたい。」
これが原点です。

国産小麦はブロートには向かないと一般的に言われますが、白くてふわふわした柔らかいパンには、確かに不向きです。しかし、決してやわらかいとは言えないまでも噛み応えがあり味わい深いブロートなら出来るのです。
栄養も考えられ、おいしく飽きのこない風味豊かなパンがブロートなのです。
日本の小麦でおいしいブロートが作れるのです。日本には、おいしい小麦があります。


ブロートの特徴 体に対する栄養 保存性が良い
食事用ブロート ブロートの種類 麦の種類
ドイツパンと言えばライ麦 サワー種(さわーだね) ライ麦ブロート
ライ麦ブロートの味 ライ麦ブロートの食し方 ライ麦ブロートの保存方法


ブロートの特徴
小麦の白い部分を使ったブロートもあるのですが。ライ麦や小麦全粒を使用したブロートが特徴的です。
ブロートとは大きいパンのこと。ドイツでは500g以上の大きいパンに使われる呼び名です。
薄くスライスして食事時におかずと共に食されます。そのため、砂糖や、油が使われることが少なく、食事の引立たせ役です。
医食同源の考えの元、健康のことを考えて食事をするドイツ人は、ブロートにも栄養価を求めています。
歴史背景から保存性の良いブロートを作り上げてきました。
体に対する栄養
昔ドイツでは、黒いブロートが主流でした。白い小麦粉のブロートは貴族の一部の金持ちの人のブロートでした。
白いブロートは、柔らかく食べやすく美味しかったのですが、栄養バランスが悪かったようです。
そこで、見直されているのが黒いライ麦ブロートや全粒粉なのです。
3大栄養素だけでなく、ミネラル、繊維質、微量元素も入り、とても良いバランス栄養食です。

日本でパンといえば、麦の中心部の胚乳と呼ばれる白い部分だけを使われている白いパンが主流です。
さらに、それに砂糖や油脂がたっぷり入ったパンが多く、体には決して良いとは思われません。

保存性が良い
ヴァルトのライ麦ブロートや全粒分ブロートは、科学的な食品添加物を使用しなくても保存性が良いのです。
1)ライ麦サワー種を使用することで、腐敗菌の繁殖を抑えています。
2)中のクラムと呼ばれる柔らかい部分の水分をしっかりと閉じ込めるため、クラストと呼ばれる表皮をしっかりと焼くためです。
3)保存性を悪くする材料を使わないため。保存性を悪くする材料は、砂糖、乳製品、お惣菜類など食事用のブロート以外は保存性が極端に短く、生鮮食品といえます。
食事用ブロート
日本でご飯を食べるように、ドイツでは、朝、昼、夕とブロートが主食です。通常、朝は小さいブレーチェンを上下にスライスし、バターを塗り、ハム、チーズ、ジャム、などお好みの味付けにし、ミルク、ジュース、コーヒー、紅茶などの飲み物と共に軽めに食べます。昼は、ドイツのメイン食事で、炒めたり焼いたり煮たりと温かい食事をします。ブロートは、その食事に合わせて選ばれます。夕食は、簡素にシンプルに、温かな食べ物や飲み物はあまり取らない食事となります。野菜の酢付けやハム、チーズ、サラダなどで、飲み物はワイン、ビール、ミネラルウォーターなどで、家事の軽減になり夕食後の時間が有効に使われているのが現状です。
ブロートの種類
ドイツ国内でブロートの種類は、数百とも数千ともいわれています。麦の種類が多く、配合比率も多岐に別れ、麦以外の種や穀物も良く使われバラエティーに彩られています。さらに、ドイツは地方色が強く、各地で色々なブロートが作られ、正確な数は分かっていないのが現状です。
一般的に、ブロート(Brot)とブレェーチェン(Broetchen)に分かれます。
ブロートは、焼上げた重量が500g以上のパンを、それ以下重さのパンはブレェーチェンと呼びます。
日本では500g以上のパンをあまり見かけませんが、ドイツでは1kgのブロートが良く出回っています。
麦の種類
ドイツでは、小麦(ヴァイツェン)、ライ麦(ロゲン)、スペルト小麦(ディンケル)の3種に別れ、粉の挽き方により色々な粗さで粉にされ使われています。日本では、強力、中力、薄力で別れていますが、ドイツでは、灰分と呼ばれる不純物の量により分かれます。1kgの小麦を焼却した時に灰となって残った重量で示されます。小麦の性質は日本の小麦に似た性質を示し、ふんわりと大きなふくらみを期待できない小麦です。ライ麦は、成長すると穂の背が高く本州でも生育できるのですが、収穫時期が梅雨時期に重なり、穂発芽の障害が避けられないため収穫はあまり出来ません。ディンケル小麦は、古代小麦と呼べるような小麦で、歩留りが悪くブロートにあまり不向きなのですが、成分が非常に体に良いことが判ってきてからは改めてドイツで普及し始めている小麦です。特にアレルギーの方に向いているそうです。
ブロートと言えばライ麦
ライ麦は、気候が涼しいところでも育ち、厳しいドイツの気候でも育つのがライ麦です。長いライ麦文化で研究され確立されてきた製法がライ麦サワー種です。おいしいライ麦ブロートを作るのには欠かせない技術です。
サワー種(さわーだね)
サワーとは酸、すっぱいという意味、種とは始めるおおもとの意。ライ麦と水から作られ、温度や水分量を上手に調節することで、良いサワー種が作られます。主に、乳酸菌、酢酸菌、酵母、その他の有効菌が含まれ、これらの菌が、よりおいしく、風味豊かにし、酷のあるブロートを作り上げているのです。サワー種技術は、ライ麦ブロートの生地を扱いやすくし、風味良くする効果があります。ヴァルトのサワー種は創業以来より継ぎ足され受け継がれ今日に至っています。まさに、おいしいライ麦ブロートを作るのに欠かせないのがサワー種です。
ライ麦ブロート
ライ麦ブロートと呼ばれるものには、ライ麦粉100%のブロートから、ライ麦粉10%小麦粉90%のブロートまであり、ドイツでは、ライ麦粉の比率の高いものから順に、
ロゲンブロート(ライ麦パン)100% 
 →  ロゲンミッシュブロート(ライ麦混合パン)90%〜60%  
 → ミッシュブロート(混合パン)50%
 → ヴァイツェンミッシュブロート(小麦混合パン)40%〜10%
 → ヴァイツェンブロート(小麦パン)10%前後
と呼び名が規格で決っています。

   ロゲンブロート(ライ麦パン)
       ↓
   ロゲンミッシュブロート(ライ麦混合パン)
       ↓
   ミッシュブロート(混合パン)
       ↓
   ヴァイツェンミッシュブロート(小麦混合パン)
       ↓
   ヴァイツェンブロート(小麦パン)
       
<ライ麦の配合比率>
 ロゲンブロート(ライ麦パン)  100%
 ロゲンミッシュブロート(ライ麦混合パン)    90%〜60%
 ミッシュブロート(混合パン)                 50%
 ヴァイツェンミッシュブロート(小麦混合パン)      40%〜10%
 ヴァイツェンブロート(小麦パン)              10%前後

と分類されています。
ライ麦ブロートの味
サワー種が、酸っぱいのでライ麦ブロートも酸っぱくなるのですが。単純なすっぱさではなく、乳酸のまろやかさやその他の有効菌のにより風味の深みが増しています。ライ麦比率が多いほど、色は黒く、酸味が強くなり、もっちり感が増し、歯ごたえが強くなります。保存性もよくなるだけでなく、食べ合わせについても、ライ麦比率の高いブロートほど、味の濃いおかずと相性が良くなります。
ライ麦ブロートの食し方
ライ麦比率が高いほど、スライスの厚さを薄くし、食べ合わせのものを選んでゆきます。ちなみに、ヴァルトのヴァイツェンミッシュブロート(30%)のスライス厚は9.5mmで、ロゲンブロート(100%)は5mmで提供しています。スライス希望の場合はご希望の厚さスライスいたします。
 ドイツ流の食べ方は、スライスしたブロートにバターを塗り、チーズ、ハム、野菜、ピクルスをのせ、塩、こしょうなどで味を調整し食べます。
 応用編としては、生ハム、揚げ物、焼肉、炒め物等で、
 調味料も、トマトソース、マヨネーズ、スパイス、オリーブオイルなど、
 また、ブロートの厚さと具材のボリュームのバランスで、味が変わり、自分の好みの食べ方を見つけるのも楽しみの一つです。
ライ麦ブロートの保存方法
最適な保存方法は、スライスせずに固まりのまま常温にて保存し、食べる量だけスライスすることがよりおいしさを保ち、美味しく頂けるコツです。スライスした部位から乾燥し、風味が落ちてきます。長期保存のためには、冷凍保存がベストです。スライスしたブロートを1回に食べる量だけラップにくるみ冷凍します。食べる時は、数時間前に自然解凍させるか、冷凍したまま180℃に温められたオーブントースターで、解凍され温まった程度に戻します。ブロートはトーストは基本的にはおすすめしません。暖めるくらいがベストです。

 
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